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2018年8月19日 (日)

役に立つかどうか?

今回のあおば塾に参加して、若い人達の心配事の一つとして、「研究は役に立つか」という事が挙げられました。
これは言い換えると「研究は自分の人生にとって役に立つかどうか教えてください」ということだと理解しています。その気持ちはわかるんだけど、役に立つかどうかというのは「自分次第」というのが一番明確な答えになります。
というのも、どのような機会も生かすも殺すも自分次第だと思うからです。ただ、そういってしまうと元も子もないですね。
役に立つかどうか、という質問とは少しずれるかも知れませんが、研究をすることは、臨床や日常生活において「見方が広がる」という可能性はあります。サイエンティフィックな思考のプロセスが身につけば、情報というものをそもそも盲目的に信じなくなります。コントロールをおいて客観的な結論を導こうと考えるようになります。サイエンティフィックな思考が至上というわけではないですが、できないよりはできる方がいいのでは、というのが僕の意見です。
従って、自分に取って役に立つかどうかはわかりませんが、様々な視点から臨床経過を考えられる医者の存在はありがたく、社会にとっては役に立つ存在になれるかも知れません。
一方で、僕はEBMとか有意差があればそれが正しい、みたいなことを振りかざす医療はあまりなじめません。そもそもp<0.05なんて、患者にとってはn=1の一度きりの人生なので、有意差があるというのはある意味、たいした意味をなしません。
僕は自分の感性や直観を大切にしつつ、時にサイエンティフィックな思考を交えて自分の直観はどれくらいただしそうかをもう一度問い直して、そして決断する、というプロセスを経ることが多いです。そのバランス感覚は難しいです。
話を元に戻しますが、役に立つかどうか、というような質問はあまりいい問いとは言えず、そんなことを心配するのではなく、実際にやってみて、自分でそこから何かを抽出することにエネルギーを費やす方がずっと良い人生だと思います。

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