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2017年8月 6日 (日)

ロング・グッバイ レイモンド・チャンドラー著 

村上春樹氏の飜訳のおかげで名作がさらに輝きを増して生き返ったような感じ。70年近く前の作品故の時代背景の違いを感じられることもたのしいし、それ以上にマーロウ氏と周辺人物とのやり取りは、人生哲学そのものでした。

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「アルコール は 恋 に 似 て いる」 と 彼 は 言っ た。「 最初 の キス は 魔法 の よう だ。 二度 目 で 心 を 通わ せる。 そして 三度 目 は 決まり ごと に なる。 あと は ただ 相手 の 服 を 脱がせる だけ だ」

さよなら を 言う のは、 少し だけ 死ぬ こと だ。
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などなど。
さらに、村上春樹氏のあとがきもまた凄くボリュームがあり、それだけ言いたくて仕方なかったのだと思われます。「しかし 僕 が 彼 から 学ん だ 本当に 大事 な こと は、 むしろ 目 に 見え ない 部分 で ある。 緻密 な 仮説 ディテイル の 注意深い 集積 を通して、 世界 の 実相 に まっすぐ に 切り込ん で いく という、 その ストイック なまでの 前衛 性 で ある。」
という村上氏の文章がそれをすべて示してくれてます。

あと、職業的作家についてのチャンドラー氏の以下の言葉は、村上春樹氏がまた別のどこかで記載してましたよね。研究者にも当てはまるように思います。

「私 は 思う の です が、 生命 を 有し て いる 文章 は、 だいたい は みぞおち で 書か れ て い ます。 文章 を 書く こと は 疲労 を もたらし、 体力 を 消耗 さ せる かも しれ ない という 意味あい において 激しい 労働 です が、 意識 の 尽力 という 意味あい では、 とても 労働 とは 言え ませ ん。 作家 を 職業 と する もの にとって 重要 なのは、 少なくとも 一日 に 四 時間 くらいは、 書く こと の ほか には 何 も し ない という 時間 を 設定 する こと です。 べつ に 書か なく ても いい の です。 もし 書く 気 が 起き なかっ たら、 むり に 書こ う と する 必要 は あり ませ ん。 窓 から 外 を ぼんやり 眺め ても、 逆立ち を し ても、 床 を ごろごろ のたうちまわっ ても かまい ませ ん。 ただ 何 かを 読む とか、 手紙 を 書く とか、 雑誌 を 開く とか、 小切手 に サイン する といった よう な 意図的 な こと を し てはなり ませ ん。 書く か、 まったく 何 も し ない かの どちら か です。( 中略) この 方法 は うまく いき ます。 ルール は ふたつ だけ、 とても 単純 です。 ⒜ むり に 書く 必要 は ない。 ⒝ ほか の こと を し ては いけ ない。 あと の こと は 勝手 に なんと でも なっ て いき ます」

レイモンド チャンドラー. ロング・グッドバイ フィリップ・マーロウ (ハヤカワ・ミステリ文庫) (Kindle の位置No.8170-8179).  . Kindle 版.

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